音楽と英語多読

2018年中にプチ英語多読ライブラリーを開設します。趣味は、ピアノ演奏(ジャズ挑戦中)。Twetterは@minikuru

2018年09月

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29日に大阪で開催された、オックスフォード大学出版局主催のワークショップに参加しました。当日のスライドは一部を除き、写真撮影およびSNS投稿はOKでしたので、シェアしたいと思います。

ワークショップは、中学・高校生向けの教師・講師向けの内容でしたので、その年齢の子供たちをターゲットとした取り組み内容にフォーカスしていていました。ターゲットが明確な分、とっても具体的で、もちろん他の年齢層でも通用するアプローチも沢山あり、非常に充実した内容でした。

最初のプレゼンターは、ORTを用いた多読授業を長年取り組まれている諸木宏子先生です。
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最初の出だしで、「生徒を連れてきて、本を用意して、『さあ、読んで』と促しても決して読みません!」とキッパリ。
そうですよね~・・・私も次男で失敗してますのでよく分かる。ORTは英国の小学校の8~9割で取り入れられいるリーダーで、「国語」として利用されているから、背景的な文化や時制について説明なしに出てくるため、外国人にとって、するすると読んだだけでは、なんのこっちゃ?となる。諸木先生は、特に要注意!の本をリストアップして、アプローチ方法を余すことなくお話していただきました。

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マジックキーの本に入る前に、まず絶対読まなければいけない要注意本↓
指導している生徒には、必ずこの順番で読ませているそうです。
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生徒から教えてもらった、発見も沢山あるとのこと
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これも生徒が気づいた。違う本に出てくるけど、実は同じ車や!
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これも生徒から教えてもらった、現在に存在するノアの箱舟
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2番目のプレゼンターは、進学校で指導されている田中十督先生、西山哲郎先生のお二人がおもしろおかしく掛け合いながら説明いただきました。
スライドの画像は、残念ながら自分自身のアレルギー症状が徐々に悪化してきて朦朧となっており撮影出来ませんでしたが、こちらは、ORTに焦点を絞らず、いかに多読を中心としながら、「読む」「書く」「話す」「聴く」の技能を身に付けていくかの試行錯誤の取り組みを紹介いただきました。また、サンプル本を配ってもらって隣同士で読み聴かせをしたり、その感想を言い合ったり、聴講者と共に実践するプログラムになっていました。

印象深いところは、「聴く」力の向上について、「たっぷり・ゆっくり・しっかり・聴く」が大事で、ORTの多読では必ずCDもつけて聴き読みした方が良いとおっしゃっていた点です。ディベートの力を養うため、まずグループで本の感想を言い合ったり、Netflixや無料で視聴できるコンテンツから興味のありそうなトピックを授業で取り上げ、ディベートの時間を作ったり、先生間で交流のある他府県の学校同士で、オンラインシステムを使ってディベートしたり・・という取り組みの紹介がありました。

最後の質疑で、多読をいかに「評価」に取り入れるか?という質問に対し、3名のプレゼンターの方々が日本の評価制度とこの多読の取り組みをどのように評価に取り入れるか悩んでいらっしゃったり、熱い思いを抱えていらっしゃることがよく分かりました。

諸木先生が、「もし自分が生徒の立場にたって考えたら、指導者から「君の読み方はおかしいよ?」とか、「こんな感想でいいの?」など指導されたらいやじゃないですか?。読書のやり方は人それぞれでいいんです。」
また、西山先生が「多読の方法をとやかく指導されている内に、生徒が「本を読む」ことが嫌いになってしまうことを恐れています」
とおっしゃっていたのが印象深いです。

この点は、完全に同意です私は夏の読書感想文の「課題図書」のように読むべき本を押し付けられるのも嫌いでした。読みたい本を読めばいいし、その本からどこに感銘を受けるかは、個人個人異なっていていいと思います。

ただし、「英語の多読」は、ほっといたら誰も(特に子供は)興味を示さないと思いますので、そこに導くアプローチは本当に重要です。そのアプローチについて、このワークショップで沢山の気づきをいただきました。当日あまり体調が良くなく、特に後半は撮影する元気もなくなってしまいましたが、行って良かった!

2014年にペーパーバックを読んで、このブログに感想を挙げていましたが、展開をかなり忘れてしまっていたため、再び新鮮な気持ちで感動させてもらいました。



あらすじは、過去記事をご確認ください^^:: 
Audibleの表紙は、映画から取ったのかと思いますが、中央の女の子は、前半こそ重要な役回りで登場しますが、脇役です。最も重要な蜘蛛のシャーロットがなぜ表紙にいないのでしょう??蜘蛛が苦手な人が万国共通で多いからでしょうか?

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久々の朗読を試聴したので、快適に聞き取る環境作りに最初は苦労しました。この4月から職場が変わって、「地下鉄」を3回乗り換えする通勤経路になり、以前より外部の騒音が増しました。地下ホームで乗り換えを待っている間の構内アナウンスや、列車が構内に入ってくる音が、非常に大きい音なので、ボリューム最大でもかき消されてしまうのです。
加えて、朗読者が低音で響く声色の方で、地下鉄の低音のゴゴゴ・・という音と混ざり合ってしまい余計に聞き取りにくさが増していました。考えた結果、3連休の間に完了するべく、買い物や外出の際、街歩きをいつもより増やして聴いていました。

その工夫の甲斐あってか、中盤からは物語に入っていけました。
感想は、シャーロットの人間性(蜘蛛性?)にただただ畏敬の念を覚えるだけ。たとえるなら、丁度23日に放送していた情熱大陸のスーパーボランティア、尾畠春夫さんの回で受けた感動と一緒です。

情熱大陸:尾畠春夫(ボランティア)

シャーロットも、尾畠さんも、「自分のため」なんて、これっぽっちも考えたことないんですよね。

後半の豚のウィルバーと
ウィルバー:シャーロットは、なんでここまで僕に良くしてくれるの?僕なんにもしてあげられてないのに。
シャーロット:私と友達になってくれたから。
という会話があるんです。
シャーロットは、友達のウィルバーのため、そして自分の子供のために全身全霊をかけて考え、行動します。

ウィルバーが、シャーロットの想いを継いで、物語は終わるのですが、これが恩送りですよね。

尾畠さんとシャーロットのような方々の物語を知ることが出来て幸せですし、今からでもそのような人生を生きたいです。

Longman Info Trail 3つめのカテゴリ、地理:Geographyの紹介です。

Geography: Beginner Stage (語数 120~150)
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くどいですが、5通りの表現方法を再度紹介。
・Persuasion(説得):筆者がひとつの見解を示し、それを読者に主張するもの
・Argument(議論):問題・仮定・争点を提起し、事実や原因に基づいて議論を進めるもの
・Instruction(指示):チャートや写真を使いながら、あることがらに対して何をすべきか指示の形で説明するもの
・Explanation(説明)あることがらを、さまざまな情報や知識を盛り込みならが説明するもの
・Recount(語り):あるできごとを、時間を追いながら説明するもの(通常、過去形で書かれる)
となっており、ビギナーステージでは以下の構成になっています。
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上段左端の、"Pick up that Crisp packet!"は、日本では常識的ですが、ゴミをちゃんと捨てようね、という事を「説得」するために、「スナック菓子の袋1枚くらい、別にいいじゃん、って言うかもしれないね、でも、もしみんながそう思ってポイ捨てしたら・・・」と、始まり、ページが進むごとに町かすごい事になっていきます。
同じく上段右から2番目の"Addressing a Letter”は、手紙の宛先の書き方を、宇宙人が地球のMr. Greenさんに会いに行く、という設定でユニークに「説明」しています。下段左端の"Which Home"は、お城、キャンプカー、灯台、テント、ハウスボート、ホテル、宇宙ステーションそれぞれについて、住むなら、〇〇が出来るけど、△△が大変かも、と、メリット・デメリットを挙げながら、最後に「君はどこに住んでみたい?」と議論を投げかけています。

語数が少ないステージの方が、表現方法の特徴の差が良く分かります。

Geography: Emergent Stage (語数 200~500)
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上段左端の"The pigeon Patrol"ロンドンに生息している鳩達が、エサを探して市内を縦横無尽に飛び回るのですが、寝床になっている「ネルソン記念柱」を中心に、縦にA,B,C,D..、横に1,2,3,4,..と区分けされている地図を示して、「ロンドンタワーはB6だよ」「コベントガーデンはA3だよ」と有名な場所や方向を示してくれるので、読んでいく内に地図の見方を覚えてしまえます。上段右端には、ビギナーステージにも出てきたエイリアンが再び登場。今度は、少ーしずつ地球に近づいていきながら、「山」「川」「砂漠」というレベルの地形から、「国」「都市名」「丘」といった中規模の名称、そして最後にようやく「子供たち」に会えるまでを説明しています。この本は今年のセンター試験の英語の試験に出た長文(エイリアンが地球を探索する)という問題を読んだときにすぐ連想したので、過去記事として「受験に役立つ英語」で紹介しています。

Geography: Competent Stage (語数 750~1200)
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上段右側の"Five go to WEMBLEY"(5人でウェンブレーへ)は、去年の夏のバケーション先で友達になった、それぞれ別の町に住んでいる5人が、サッカーの試合を観るためにWembleyという街に集合するお話です。それぞれ、地下鉄だったり車だったり、列車など各交通機関で、スタートからゴールまでどうやってたどり着くかを「語って」います。このInfo Trailには、サッカーを題材にした話題が沢山出てくるので、サッカーは本当に英国の国民的スポーツなんだなあ、と改めて思います。

Geography: Fluent Stage (語数 1200~2500)
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このステージになると、どのカテゴリも知的レベルが一気に上がります。上段左の"Popclock"(人口時計(60億の世界)は、地球の人口が60億になった時の世界はどうなるか、をデータを示しながら予測していて、(食料が足りなくなる、水が不足する、絶滅する動物が増える等)最後に「私たちが出来ることは何だろう?」と投げかけられています。上段右側の"Stop the Shpo?"(出店を阻止?)は、ある町にスーパーマーケットが誘致される事について、パネルディスカッションが行われ、最後に町の住民がディスカッションの内容をもとに、賛成か反対かについて投票を行うまでのお話です。
・・昔の日本の公共教育プログラムに、もしこのような教材があれば、普通の社会人ももっと議論上手になったろうに、と思います。

以上、駆け足ですがノンフィクションのInfo Trailシリーズの紹介でした。ノンフィクションは「物語」で読ませるものではないし、表紙だけで十分に内容を説明できないので、どうしても手に取りにくくなりがちですが、このシリーズは大人が読んでも十分知的好奇心を揺さぶられる多彩なトピックが沢山あります。
シリーズ全体について知っていただくことを目的に、さらっと流して説明しただけですので、特に中レベル以上の本は、今後1冊ごと、折に触れて取り上げていければと考えています。

前回に引き続き、ノンフィクション多読リーダーの「Longman Info Trail」の紹介です。今回は、3つのカテゴリの内、歴史:Historyです。


History: Beginner Stage (語数:120~150)
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それぞれの表現種類は以下の通り
繰り返しますが、表現種類は5種類あって、
・Persuasion(説得):筆者がひとつの見解を示し、それを読者に主張するもの
・Argument(議論):問題・仮定・争点を提起し、事実や原因に基づいて議論を進めるもの
・Instruction(指示):チャートや写真を使いながら、あることがらに対して何をすべきか指示の形で説明するもの
・Explanation(説明)あることがらを、さまざまな情報や知識を盛り込みならが説明するもの
・Recount(語り):あるできごとを、時間を追いながら説明するもの(通常、過去形で書かれる)
となっています。

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例えば・・下段の右端の"Were the Old Days the Best?" は、Argument(議論)です。どういう内容かといいますと、話し手の女の子の家のお隣に、おじいさんが住んでいて、「昔は良かったよ"the old days were the best"」と言っています。昔は車が少なかったから、子供は道路で遊びたい放題だったと。でも今は、沢山の車が走っているから危険。でも、車があったらいろんな場所に旅行が出来るよね。
と、こんな調子で「昔は〇〇がなかったから〇〇出来て良かった」「今は〇〇があるから〇〇だけど、〇〇で便利になった」と話題が4つほど続きます。
そして、最後に、読み手に向かって「あなたはどう思う?昔の方がよかった?」という問いかけで終わります。

グループでこの本を読んだ後に、議論する事が出来るように工夫されていますし、一人読みでも、思考を膨らませてくれます。語数がたった150でも、十分に思いめぐらす事が出来ます。

History: Emergent Stage (語数:200~500)
この8冊には魅力的な題材がいっぱいあります。女の子には、上段右から2つ目 "How to Dress A Queen” でしょう!女王様のドレスについて、まず寝間着から下着に着替えるところから、詳しいパーツの名称を紹介しならがらどうやって着せていくかレクチャーしています。(ちなみに、下段右端は、騎士の衣装の着せ方のレクチャーです)
上段右端の "To let: Modern Victorian Home"(貸し家:最新式ヴィクトリア風の家)も、人形で遊んだ経験のある女子やアンティーク好きにはたまりません!
下段左端の "Toilets Through Time"(トイレの歴史)は、現在の様式トイレの変遷を語っています。

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・・詳しく紹介していたら終わらないので、次いきます。

Histroy: Competen Stage (語数:750~1200)
自国の子供向けに作られているため、ノンネイティブが読む場合のデメリットは、話題の背景となっている歴史の知識がマニアックすぎる場合、理解が難しいという点です。このステージでは、例えば上段右側の "Romans Go Home!"(ローマ人、国へ帰れ!」は、ブリテン島に遠征してきた古代ローマ人と、ブリテン人のそれぞれの考え方を示して、議論を促すようになっているのですが、本にはブリテン人の種族まで書いているけど見当もつかないし、今の英国にどれだけローマの影響を受けているかなど、そもそも考えたことがないので、なかなかピンときませんでした。また、上段右側の"A Day in the Life of a Roman Charioteer"(ローマ戦車の騎手の一日)も、そういう競技あるんだ~・・から入り、騎手をChariotteerと呼ぶのは、この本で初めて知りましたし、今後もローマ史を調べる機会がなければ一生知ることがなかったでしょう。

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個人的には、ヨーロッパ史は好きなので興味深く読めました。

History: Fluent Stage (語数:1200~2500)
まず目を引くのは、上段左の"HOW TO PREPARE A MUMMY"(ミイラの作り方)でしょう。日本には定期的に「大英博物館展」が開催され、必ずミイラも展示さるので、今度実際のミイラを見るときには事前にじっくり読もうと思っています。上段右側は"Abolish the Monarchy?" (君主制を廃止すべきか?)で、「議論」を促す表現です。Fluentレベルといっても、自国では13歳前後向けでしょうから、英国すごいな、と感心します。日本の小中学校で、「天皇制を廃止すべきか?」なんていう議論を果たして授業で行っているでしょうか。
軽い話題では、下段右端の "the King's Dinner"(国王の晩餐)があります。準備段階の各食材担当部門の様子や、食器類の管理、食堂の準備、招かれた人々の様子、各料理の説明(デザートまで)、マニアックに語られています。
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ヨーロッパ史が好きな方であれば、必ず興味深いトピックの本が見つかると思います!

引き続き、ノンフィクションの多読リーダーを紹介します。実は、いろいろ考えて「初心者」という表現を外しました。その理由は追って説明します。。

このシリーズも、英国の子供向けに作られたリーダーで、
・Science(科学)
・Geograpyh(地理)
・History(歴史)
の3つのカテゴリーに分けて、それそれ「Beginner Stage:入門レベル 8冊」「Emergent Stage: 初級レベル 8冊」「Competent Stage: 中級レベル 5冊」「Fluent Stage: 中~上級レベル 5冊」が用意されており、全78冊です。本当はもっと上のレベルのシリーズがあるようですが、多読用途に日本市場向けに「教え方の手引き」と、音声CDが用意されているのは、この4Stageのみです。
Science:Beginner Stage(語数:120~150)
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このリシーズがよく考えられていると感心するのは、同じカテゴリ・ステージの中に、
・Persuasion(説得):筆者がひとつの見解を示し、それを読者に主張するもの
・Argument(議論):問題・仮定・争点を提起し、事実や原因に基づいて議論を進めるもの
・Instruction(指示):チャートや写真を使いながら、あることがらに対して何をすべきか指示の形で説明するもの
・Explanation(説明)あることがらを、さまざまな情報や知識を盛り込みならが説明するもの
・Recount(語り):あるできごとを、時間を追いながら説明するもの(通常、過去形で書かれる)

という5種類の表現が使用されていることです。
もちろん、これらを意識せずに読んでも何の支障もありませんが、大人の多読ではここを意識して読むと、表現の違いが分かり、すごーく興味深いです。裏表紙に表現タイプが載っています。
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それぞれのタイプを改めて記載してみました。
Explanation,Instruction,Argumentは何となく想像がつくと思いますが、Recunt,Persuasionは前者の3つのタイプとどこが違うのかは、読んでからご自身で納得することをおススメします。
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Science: Emergent Stage(語数:200~500)
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Science: Competent Stage(語数:750~1200)
語数的にはまだ大したことはないですが、扱う内容の知的レベルがいきなり高くなります。下段左端は、天然痘ワクチンを開発したジェンナー博士のお話です。(伝記っぽい)。読み手にとって興味のある分野なら問題ないですが、物語の力を借りない場合、興味のない人にとってはノンフィクションはとっつきにくいかも、、と思いますがどうでしょう。ただ、多読3原則に照らし合わせれば、読みたくない本は無視していいんです(笑
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Ccience: Fluent Stage(語数:1,200~2,500)
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私にとって、この「Scienceシリーズが最もとっつきにくい分野だったので、全ては読破していません。それでもなお、このInfo Trailシリーズ全体を見ると、この本をきっかけにその分野・カテゴリに興味を持ち初めるんじゃないかと思うほど、上手な構成になっていて、面白い内容の本が沢山あります。

歴史、地理は次回以降に紹介しますし、最も面白い本は、さらに掘り下げて今後紹介していこうと思います!

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